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「四方山話」 其の八

1.気諸病をなす

2.老婆心・独語

□■□ 気諸病をなす □■□

気血が生体の基本であるという理念に出発して血を広く体液と解釈し、 さらにこれを血液と血液以外の諸々の体液に分離した理念が気血水です。 気血水はバラバラに機能しているのではなく、それぞれ互いに 関連しています。

気滞(気の変調)について、血も水も気の支配をうけて動かされている ため、気の滞りがあれば、血・水の順行も停滞します。

「気諸病をなす」

気の変調が病理の原則になっています。
また、血・水の変調があれば、二次的に気の変調も誘発されるともいえます。

各種の神経症状が気の変調にあたります。 気の変調は、気うつのような静的なものと、気逆(気の上衝)のような 動的なものに分けることが出来ます。

■ 気剤(気滞を解消する効能をもった薬物)

○ 桂枝(けいし) 味:辛・甘  性:温

帰経:心・肺・膀胱 クスノキ科の桂樹の若枝。 (この枝先を桂枝尖といい、桂枝よりも効能が強い) 桂枝は体表を温める解表薬として、血行促進、健胃、鎮痙、解熱、抗菌、 利尿、鎮痛、抗アレルギーなどの作用があります。

【処方】 桂枝湯(桂枝・芍薬・大そ・生姜・甘草)は上衝、頭痛、発熱、悪寒、 身体痛、自汗などを目標として、血行を巡らし、自律神経系を整え、 体表部のストレス抵抗力を高める働きをしています。

○厚朴(こうぼく) 味:苦・辛  性:温

帰経:脾・胃・肺・大腸 モクレン科の厚朴の幹皮。 厚朴は、鎮痛、鎮痙、便通、整腸、理気などの作用があります。

【処方】 半夏厚朴湯(半夏・ぶくりょう・生姜・厚朴・紫蘇葉)は、気分の停滞、 うつ積があり、咽喉部や上腹部につかえとして現れ、水滞が咽喉部、胃部、 胸部、体表部に併発したのを目標として、利水が主役で気を整える 漢方です。

また、桃核承気湯(桃仁・桂枝・芒哨・大黄・甘草)の処方は、駆お血剤の桃仁(バラ科のモモ或いはモモの核の中にある種子)が主で、気・血を 整える漢方です。

このように、気剤のほかに、血や水の順行促進の剤を配合して成り立っている処方が多い。 気を肺をつかさどるといわれ、呼吸作用と関係するとみなされています。

例えば、上気(呼吸促進)、短気(呼吸困難)、少気(呼吸浅い)などの 漢方用語があります。 気を気体と想定して、腸内ガスなどを気として取扱います。 これは気滞の実体が消化管内のガスの停滞に関係しているためです。 例えば、おくび、ゲップ、転失気(腸内ガスが働いて 音を発する、俗に放屁とも)などがあります。

■ 桂枝湯の方製

桂枝湯の方製

  • 君薬とは、漢方の薬効を代表する重要な薬味で主薬ともいいます。
  • 臣薬とは、君薬の効能に協調し、その薬効を増強します。
  • 佐薬とは、臣薬に対して付随的に働く作用をもちます。
    或いは、君薬の片寄りを修正したり、流れていく場所を指示します。
  • 使薬とは、引薬とも呼ばれ、臣薬の補助薬として用いられます。

また、臣薬、佐薬と共に病気の福発症状を予防します。

□■□ 老婆心独語 □■□

【 養生の根本は気の調節なり 】

その昔、黄帝とその臣下であった医師の岐伯(きはく)及び 雷公(らいこう)との問答をしゅう集した中国最古の医書「素問」には、

喜べば 気緩まる  怒れば 気上る
憂えば 気籠り  思えば 気結ばる
驚けば 気乱れる  労すれば 気減る
寒ければ 気閉ず  暑ければ 気泄れる

と記載されています。

このように、病気は気から起こり、気を病むのです。 日頃から、生命体の根本がある丹田(俗にへそ下三寸といわれる経穴で 開元とも呼ばれます)に気を集め、和平を保たせます。

時に、天地の気の変動に際しては、気を循環させ体を養います。 静と動なる気を和らげて、穏やかに調整できることが養生の秘訣です。

何にも考えず、何も語らず、目を閉じて無の境地に一日の内で五分ないし 十分でも瞑想のようなひとときを求めてはいかがでしょう。

健全たる精神より生まれし気は、水と血を巡らし、 健全なる身体を宿し病を滅します。

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