無料メルマガ

「四方山話」 其の十一

1.陰陽及び気血水のまとめ

2.老婆心・独語

□■□ 陰陽及び気血水のまとめ □■□

・陰とは、生体の諸機能の減退状態を意味し、
・陽とは、逆に機能が亢進しえちる状態を意味しています。

従って寒と熱といった文字で表現することも可能です。

人体は気(作用力・動的エネルギー)が血や水を適度に円滑的に 動かしている時が健康体であるとしています。

・気は、動こうとする傾向と上昇しようとする本来の性質があります。
・血と水は、ことに血は止まろうとする傾向と下降しようとする本来の性質があります。

このように、動と静、上昇と下降の両者のバランス を保ちつつ、一定の営みが行われます。

邪気の侵入・精神的、肉体的違和・飲食の不摂生等の原因で、

・気の作用が強められ、血水の作用が亢進する異常状態 - 「陽病」
・逆に気の作用が衰えて、血水の静的、下降的力が優る場合-「陰病」

■気血水

気は動的作用があって形のないもので陽であります。 血・水は静的作用があって形があるもので陰であります。 血と水を比較すると、 水は無色で乾燥すると形がなくなるもので陰でありますが、多分に 陽の因子を含んでいます。 血は水に反して、有色であり乾燥しても形を残すので最後まで陰であります。 だから陽病で気の働きが盛んになれば先ず動かされるものは、 陽的、動的因子をもった水であります。

その次に、血の働きが 亢進されます。 逆に陰病では気の働きが衰えれば、先ず停滞しはじめるのが血であり、次いて水ということになります。

気血水は、気と血の中心に水があり、その時の状態の強い方に 移行するのが水であります。
気  ←水→  血

■三毒説

気血水と同工異曲(見かけは異なるが中身は同じ)の病理説 として、「食・血・水」の三毒説があります。 慢性病に対しては、体質毒という考え方を適用する方が便利で あったため(この考え方は間違いではありません)、無形の気を食して加えました。 広義の自家中毒症として、 食水血の三毒を挙げ、この前提において伝染病が成立すると 考えました。

「飲食口に入り、留滞するときはすなわち毒となる」

としています。

人は生きるために食を取らなければ生きることは出来ません。 しかし、取る物を忘れたり取らなくて好いものを多く取れば、 食は悪さをして、血や水に影響を与えます。 食は体に入りエネルギー(気)になるのではなく、臓器が 動いて、始めてエネルギーとなります。

精神的エネルギーと食による肉体的エネルギーを兼ね備えたものが気です。

■汗・吐・下・和の四法で治病

・汗とは発汗によって体表の邪気を体外に排出します。 発汗には発表と解肌とがあります。 発表とは、発汗させて体表から解き放すことです。
[処方] 葛根湯 麻黄湯

解肌とは、肌膚(肌)を和解(体表の機能調整)する 意味です。 自然に汗の出る傾向の者に対し、出過ぎるのを抑制し 出にくい者は促進します。穏やかな和の考えです。
[処方] 桂枝湯

・吐とは、催吐法によって食毒を排出させます。 吐法には嘔吐をおこさせる薬物療法と物理刺激(手指や 羽毛を用いて、喉を探り、吐を引き起こす。)これを 探吐と呼びます。現在ではほとんど行われていません。

・下とは、腸管内の食毒をシャ下によって排出させます。 食毒だけではなく、誘導療法としても用います。
[処方] 大承気湯

・和とは、病毒を和解して、その解消をはかります。 汗が出過ぎれば抑制し、下痢しすぎれば調整します。 熱性傾向に対しては、寒冷性の薬剤を与え、その逆もあります。 停水に対しては利水剤、お血に対しては駆お血剤を用います。

このように、四法などの治療を行った際に治療に向かうために 現れた結果的現象を瞑眩といいます。 瞑眩・・・人によって違いはありますが、漢方服用後に 一時的に現れる種々の予期しない反応の事です。

□■□ 老婆心独語 □■□

【 知己があって養生となす 】

この世に生をうけたものは、生命を養うことを行わなければ長寿を全うすることは出来ません。

養生の道は、 飲食を少なく、病を呼び込む物を食べず。
色欲を慎み、精を惜しむ。
怒り悲しみ、憂いに思いを馳せず、 心を常に平静に保ち、精神を和らげる。
言を少なくし、多くを語らず。
時々、身を動かし、歩行すべし。

と、江戸前期の儒学者・教育家・本草学者であった貝原益軒氏 の「養生訓」に述べられています。

もって生まれた天命を生かすも殺すも養生次第です。 しかし、養生は自分だけの問題ではなく、自他との関係により 成り立っています。

すなわち、大切なことは、これら養生によって、長寿すること よりも、長生きしてほしい人間になることが必要となります。 養生とは個々の長寿欲だけではないところが養生の根源かも しれません。

出来ないからといって やらなければ進歩がない

〒064-0917
北海道札幌市中央区
南17条西9丁目1-26

TEL:011-521-0979
FAX:011-521-0979

営業時間:
AM10:00~PM5:00
休 日:日曜日、祝日


お問い合わせ