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「四方山話」 其の二十二

1.爪による診断

2.老婆心独語

□■□ 爪による診断 □■□

「貝を鏤めたような美しい爪」

という美の形容詞の一つに爪があげられる。

爪の化粧は、古代エジプトのミイラからも発見されている。
ローマ時代から始まり、アラビアの富裕層な婦人達は、手と足の爪にマニキュアやペディキュアを行う。

「古今事物考」には、中国では楊貴妃が生まれながらに手足の爪が紅色を呈していたので、それに習い爪を紅色に染めたと記している。

「大和本草」に女児がホウセンカ(鳳仙花)の花とカタバミ(酢漿草)の薬をもみ合わせ、爪を赤く染めるとある。

この鳳仙花をツマクレナイ(爪紅)とも呼び この花だけを使い染めていたので、わが国では爪紅と称し江戸元録の頃より爪を紅色に染めていたようだ。

文芸作品などの表現に張りが有り読者に訴える崇高なものを持っている作風、そして情が厚くて誠実な人柄で芭蕉からも大事にされた向井 去来 と医を生業とする客観的に自分の目で見た物をその物に近いと他の人が素直に受け取るような形の作風の 野沢 凡兆 共編の「猿蓑」に

「吾妹子が爪紅残す雪まろげ」
「佐用姫の訛りもゆかし つまね花」

の句からも読み取ることが出来る。
江戸深川(辰己)芸者は、足爪も染めたという。
流石!流行りの先端を行っていたようだ。

古今東西問わず女性は、マニキュアや近頃ではネイルアートなどで、爪を染めたり装飾したりして着飾る為、爪の形、爪下の色などを確認して診察することは難しいようだ。

最近、患者の若い女性の爪の黒いマニキュアには驚愕に堪えない。
黒色の意味など説法するきはないが、世も末。

「爪甲は筋の余りで、肝は筋を生ず」とあり、肝は筋とその運動のすべてを意志通り行動させる為、筋骨の痛み、筋のひきつり、巻き舌、陰のうの収縮など筋のすべての症状は、肝の病変の現れとされている。

さらに肝に蔵されている血液が不足すると、その症状は爪に現れる。
肝血不足の時は、爪が柔らかく薄くなり、色が淡白となってつやがなくなる。

爪先をつまんで、押して離してみると、爪の赤さがすぐもどるようであれば良いが、すぐにもどらない時は血が不足している。

爪は細かな仕事をしたり、指先を保護するだけではなく、健康を知る指標でもある。

健康な爪は、光沢な半透明の角質で奇麗な薄いピンク色を呈し、折れにくく柔らか過ぎず、長短過ぎず、斑点、凹凸、隆起が無く幅も厚さも適当で弾性に富んでいる。

爪は小さな線と管によって栄養を取っているので、故障が起こると敏感に反応して形を変える。

 

■ 門脇尚平氏による爪の変形による診断

非常に小さな爪や生命力が衰えて縮む爪は、神経の知覚過敏(感覚器官が外界の事物をとらえ見分ける働きが非常に強い様子)と栄養障害による衰弱状態を示す。

肥大した爪は、知覚麻痺を示す。

縦長の爪は、肺等の呼吸器系の疾患に冒されやすい体質を示す。

短い爪は、心臓病やノイローゼになりやすい。

三角形の爪は、脳脊髄の障害や中風になりやすい。

オリーブ型の爪は、動脈系が弱く、脊髄の病気に冒されやすい。

扇形の爪は、肝臓病(黄疸など)に罹りやすい 又 中風になりやすい。

横じわのある爪は、カルシウム不足。

中央部分で盛り上がった逆スプーン型の爪は、呼吸器系の疾患や肝臓障害の兆候を示す。

側縁両方が急下降している爪は、動脈硬化や癌の前駆症の兆候を示す。

半円に近い爪は、腎臓等の泌尿器系の障害を示す。

筒型の爪は、癌になりやすい素質がある。

爪先が湾曲を失って平らな爪は、リンパ系の障害、抵抗力がない。

扁平な爪は、ルイレキや咽喉疾患に冒されやすい。

縦筋で折れやすい爪は、皮膚や心臓、腸が弱い。
親指にあれば成人病に注意。

凹凸の溝のある爪は、腸が弱く。
親指にあれば、精神不安定状態を示す。

人差し指は、皮膚疾患。
中指は、痛風、神経痛など筋肉の圧迫。
薬指は、眼病、気管支炎など呼吸器障害。
小指は、神経痛、咽喉疾患、胆のう障害を示す。

爪で著しく光沢の爪は、甲状腺機能亢進。
青白い爪は、貧血。
白色の爪は、ルイレキ。
赤い爪は、心臓疾患。
黒ずんだ爪は、循環器系の障害。

爪の色が濃淡が激しい色は、静脈系の故障。

爪に白い斑がある時は、神経不安定症で便秘しやすい。

爪ではないが、指が太鼓のバチ状の指で「ヒポクラテスの爪」とも呼ばれる指の末節が肥大膨張した変形をなす人は、血行障害を起こしやすい。

すべて正しいとはいえないが、病気へのバロメータとして早めに対処すれば良い結果が得られる。

□■□ 老婆心独語 □■□

【 根本を覆して発想の転換とせし 】

誠情(真実)と云うものは、天地自然の根本原理とすれば、知了は疑問点を持つことから出発しなければ真理は開悟されない。

人間の知識は、何に由来するのであろうか。
書冊より始まり、口承伝聞より起こる。
見聞は、世人の私見体験や吟詠的に喜悦や痛切な感情を詠嘆するより来る。

これら真の姿を探究してもはっきりせず、その内容を具体的に把握することが出来ない印象がある。

それでも是が非でも説き明かそうとする本能を呼び覚ます
自分なりの安心感的納得が脳を癒す。

それまでのプロセスが脳を刺激し、何にかを得ようと葛藤する。

要するにすべての知識の根本は「疑義」から生じている。

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