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「四方山話」 其の三

1.漢方の歴史

2.老婆心・独語

□■□ 漢方の歴史 □■□

古代の医学は、自然治療を促進するような行為を本能的に行う本能的医術。
他人の経験、動物の本能の集積に自分自身の経験をふまえて対応法を率する経験的医術。

怪我や病気の原因を知ろうとする時、人間生活に及ぼす自然現象や伝染病に対して、人間の及ばない現象に神や悪魔の存在を考え、それを追い払うための神がかり的な宗教的医術(魔法的医術)が地位を占めていました。

その後、西洋医学は東洋同様に素朴な全体的医学思想のもとに、その論理体系 が構成され、その医学思想は液体病理学説が中心でありました。 現在の科学的方法とは違った体系をもっています。

根源は古代ギリシャ時代にあり、ヒポクラテスの時代に体系づけられた医学思想です。

液体病理学説とは、生体の基本を体液に置き、四つの体液(血液・黄胆汁・ 粘液・黒胆汁)に分けて、これらの不調和が病気を起こすものとしました。 外界より取り入れられるプノイマ(電気)によって生体現象が成り立って いると考えました。

この点は東洋医学の根本思想と符号しています。

ところが、西洋では16世紀以降になって技術革命(解剖学が進み、顕微鏡の 発見によって細菌学が発達、さらにウイルヒョウの細胞病理学が病理思想 の中心を占めました)が起こり、科学的医学が西洋医学の本流となります。

東洋医学は、東洋独自の思想体系のまま現代に至ります。 だから東洋医学は幼稚で未熟な医学であると軽率に断定してはいけません。 ルネサンス以降の近代医学は2~3世紀の歴史しかもたず、東洋医学は2千年以上の歴史をもっており、臨床の実績をもとにして進歩し、集成されながら今日に至っています。

からだ全体の自覚症状を色々さぐり、その人の体質を中心に現在の病態や患者の訴えを総合判断して、今どのような病症であるかを決めます。 この総合判断した病床を漢方では「証」といいます。

漢方の診断法とそれによる薬剤が数千年ものあいだ、人体実験を繰り返し そして経験して得た実績です。 さらに、どんな生薬をどのぐらいの比率で組み合わせれば、どの症状に効くかを体験から結論づけたものでもあります。

漢方は、病状を見る場合に現代医学のように具合が悪いからだの部分を見てその局部の病名をつけ、それにしたがって治療の大筋を決めることはしません。 漢方では、人体を統一的な有機的な関連性のあるものとして考え、 全体の症状を捉えていきます。

漢方の根本的思想は哲学的な自然観照法(一切の感情を殺して冷静に人生や 自然や美などについて、それはどういうものかと根本的に思索する意)が そのまま生体現象に適用されたとしています。 特に、二元論的(一つの現象を相対する二つの面から観察する意)な認識法が その基礎概念となっています。 例えば、気と血・陰と陽・虚と実など、対立概念によって相対的に 病態を観察しています。

□■□ 老婆心独語 □■□

「 唯我独尊の教訓歌 」 徳川家康の知恵袋といわれた慈眼大師天海僧正の養生に関する道歌が 二首伝わっています。

○ 気は長く  勤めは堅く   色うすく  食細うして   心ひろかれ

○ 養生は  素食  正直   日湯   陀羅尼   時折り下風あそばされし

初めの道歌は主として、精神的な養生でこのように 心かければ心身ともに健康を保てます。

次の道歌を説明します。 素食(そじき)は粗食の意で、自分の手のとどく範囲の旬の幸を いただくことです。 今日のスローフード的な考え方でしょう。 正直(しょうじき)は読んで字のごとくです。 付加えるならば、「吾以外皆師なり」の考えで 「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」 の極致でしょう。 日湯(ひゆ)は日々風呂に入り体を清潔に浄めます。 陀羅尼(だらに)は魔を取り去る為のお経を誦むことで、現在なら 瞑想などによる精神的、ストレス解消法と呼べるでしょう。 下風(げふう)は、おならのことで、快食・快眠・快便があるからこそ 健康な日々を送ることが出来ます。

皆様方も、自分の座右の名のように道歌を造語してはいかがでしょうか。

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