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「四方山話」 其の十五

1.肩こり・腰痛・頭痛

2.老婆心・独語

□■□ 肩こり・腰痛・頭痛 □■□

「肩こり」には、肩こりだけではなく頚筋から後頭部にまで凝るものがあり、肩甲骨にまで緊張感の及んでいるものがある。

一般に肩こりは葛根湯を用いる。
又、左肩が凝っているもの(延年半夏湯)や右肩が凝っているもの(桂枝加苓朮附湯)がある。

肩が凝るというが、肩こりの部分の筋肉は軟弱で、腹にも緊張のないものは半夏白朮天麻湯・六君子湯・当帰芍薬散を用いる。

胸脇苦満(胸から季助下にかけて充満した状態があって、この部を按圧すると、抵抗と圧痛を訴える状態をいう)や心下痞鞭(下心部分が、自覚的な充塞感と他覚的な触れて硬い症状がある)があって、肩こりがある時は、柴胡剤や瀉心湯類が用いられる。

お血の証があって肩こりがある時は、桂枝茯苓丸・桃核承気湯を用いる。
婦人科的疾患や血の道症からくる肩こりに、加味消遙散を用いる。

「腰痛」には、腰部の軟部組織の病変によって起こるもの、骨や関節の異常によって起こるものや、骨盤内の臓器の病変及び諸種の病気の隋判症状として起こる。

元気のよい若人が急に腰痛を訴えた時に、葛根湯を用いる。

虚労の腰痛で、体力が衰えて下腹がひきつれて小便の出が少ない時は、八味丸を用いる。お血の証がある腰痛、又、事故などで腰部を打撲した時にも、桂枝茯苓丸・桃核承気湯を用いる。

冷え性で頑固な腰痛に、当帰四逆加呉茱萸生姜湯・当帰建中湯を用いる。

「呼吸困難」は、心臓や呼吸器障害があって起こることが多いが、腹診を目標にする。
胸脇苦満と腹部膨満とがあって、呼吸困難の時に、大柴胡湯合半夏厚朴湯・大柴胡加厚朴杏仁を用いる。

腹部が軟弱無力のものに、蘇子降気湯・苓甘姜味辛夏仁湯・喘四君子湯を用いる。
腹部が強く力があるものには、小青竜湯・麻杏甘石湯などの麻黄剤を用いる。

「心悸亢進」とは、俗にいう動悸のことで、心臓障害のために起こるばかりでなく、神経性のものがあり、バセドウ病・貧血・腎尖などにもみられる。
神経性のもので、同時にメマイを伴い発作が起こると尿が大量に出る。(半夏厚朴湯)

心臓に障害があって心悸亢進を起こしている時は、大量に出ることはない。
発汗が過ぎたために、心悸亢進を起こした時、一般に動悸には桂枝と甘草を用いる。(桂枝甘草湯)

へその下から動悸(腹部大動脈の動悸が強い状態)が胸につき上げてくる、
ヒステリー性の心悸亢進に、苓桂甘棗湯を用いる。

心悸亢進の他に、メマイを伴うが尿量が少ない時は、苓桂朮甘湯を用いる。
貧血のために動悸やメマイがある時は、連珠飲。(苓桂朮甘湯+四物湯)大病後 或いは慢性病などで体力が衰え、心悸亢進、不整脈がある時は、炙甘草湯を用いる。
心悸亢進には、柴胡加竜骨牡蛎湯・柴胡姜桂湯も用いる。

「眩暈」とは、メマイのことで目眩・頭暈ともいう。
頭に何か重いものを、かぶっているように重くメマイのするものを冒眩という。

胃下垂や胃アトニーには、神経性のものが多くメマイを訴える時は、半夏厚朴湯・半夏白朮天麻湯を用いる。

頭に何かかぶっているようでメマイがし、血色がすぐれず 冷え症で腹にも力のないものに、当帰芍薬散を用いる。
婦人の血の道症でメマイを訴える時は、加味消遥散・女神散・当帰芍薬散を用いる。

のぼせてメマイがする時は、三黄瀉心湯・黄連解毒湯を用いる。

肩こり、頚筋の緊張感があり メマイがし、胸脇苦満や心下痞鞭のある者に使う。

・胸脇苦満
柴胡剤 - 柴胡加竜骨牡蛎湯

・心下痞鞭
瀉心湯類 - 半夏瀉心湯

「頭痛」-発作的にくる頭痛で、主として片頭痛の型が多く、頭痛が激しい時には胆汁を吐き足が冷える。

女性では月経の前後に頭痛がきて頭痛のする側の頚筋が硬くなる時は、呉茱萸湯を用いる。頭痛の状態は上記と同じだが、尿利の減少と口渇がある時は、五苓散を用いる。
(腎尖で頭痛のある時にも使う)

胸脇苦満があって頭痛する場合、柴胡剤の柴胡桂枝湯を用いる。
婦人の血の道の頭痛に、加味消遥散・女神散・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸を用いる。

激しい頭痛ではないが、頭が重いように痛みメマイを訴え、足が冷え胃が弱くて、みずおちで振水音がする時は、半夏白朮天麻湯を用いる。

早朝に頭痛する時、脳動脈硬化によるものが多く-釣藤散 又、脳血管のけいれんによる頭痛に-抑肝散を用いる。

三又神経痛には、五苓散・葛根湯・麻黄細辛附子湯を用いる。

□■□ 老婆心独語 □■□

【 邪悪を取り除く妙薬 】

無垢浄光大陀羅尼経は、諸説の四種陀羅尼を百万の小塔に収めたる和紙(わしは、楮・三椏・雁皮等を原料とした物)に、キバタを加えて染めた、俗に黄柏色の用紙でした。

キハダの殺菌・防腐の効果を利用し、和紙に虫が付かないようにして保護したのでしょう。

のちに、このキハダと他の薬草を配合した妙薬を陀羅尼助(煉熊・お百草)と称し、現在に伝わっています。

陀羅尼助は、大和の大峰山にて、弘法大師により教え作られた薬で、弘法大師の家伝薬と呼ばれるものです。
修行僧が陀羅尼経を読む時、陀羅尼助の苦味によって、眠気を覚ます助けをした所から、この名が生まれたといいます。

古来から魔を切り、幸福が生まれる事を祈り、精神的な病や邪気を陀羅尼経で押え、肉体的な病を陀羅尼助で取り去ったのかもしれません。

■ 黄柏(キハダ)の効能

健胃・整腸作用、抗菌作用、消炎作用、中枢抑制作用、降圧作用、解熱作用があり、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胃のもたれ、腹痛、下痢、糖尿病、高血圧、黄疸、膀胱炎、痔、こしけ、皮フ病、神経症、性器疾患など幅広い作用があります。

酒毒を消す作用もあって、二日酔の予防や治療にお進めします。

噛む陀羅の 苦味に求めし 幸せを

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