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「四方山話」 其の二十四

1.抗加齢は腎が極め手

2.老婆心独語

□■□ 抗加齢は腎が極め手 □■□

古代中国には伝説上の三皇五帝がいたとされる。

三皇は、火の技術を教えたスイジン。
易の八卦を創り出した人首蛇身の伏犠(フツギ)。
そして神農(シンノウ)がいた。

中でも人身牛首の神農は民衆に農業や牧畜の基礎を教えたので農耕の神として神農氏と呼ばれる。

また五行(木・火・土・金・水)の火の徳を以て王となったので炎帝といい炎帝神農とも呼ぶ。

神農は医術を知る上に置いて百草をなめて薬を厳選し漢方の開祖医神とされる。今でも漢方医が冬至の日に、医薬の祖として炎帝神農氏を祭る神農祭がある。

神農が百草をなめて薬を区分した時に草木の毒を消す為にお茶を飲用したので茶の鼻祖ともいわれる。

この三皇の頃に陰陽説が生まれた。

五帝とは、黄帝の孫で 徳が高く人望があり、高陽に国を建立したので高陽氏と呼ばれたセンギョク。

中国の理想的帝王とされているテイギョウ。

センギョクの六世の孫の舜(シュン)。コク。
そして黄帝ケンエン。

中でも黄帝の時代には、太陽や月の運行を観測し暦もでき時間も赤銅による水時計ができ病人の治療に鍼灸及び漢方を煎じる湯液が行われていたので医学の始祖とされる。

この頃に五行説が生まれた。
しかし、五行説についてはギリシャのアルクメオンの説、仏教感化によって倶舎論からできた説、真言宗教の五大からの説などが錯綜している。

このような神々の口碑から中国の本筋の殷時代が始まる。

湯王(殷王朝の初代の王子の名)の家臣の伊尹が湯液(煎薬)や料理の方法を案出した。
この時に漢方及び薬膳の道筋を築く。

伊尹の父は宮廷料理長のため料理に詳しく、調理技術によって治療、予防の料理を作り上げた。伊尹は料理長の養子の説もある。

食の在り方は日進月歩し、ただ食べる事から土壌・産地・収穫時期・季節感・安心・安全・美容・療治・エコ・老化・延命などを考える段階へと移って来ている。

しかしよく根底を見ると温故知新の時代へと変遷している点が多く見受けられる。

例えば 現在のアンチエイジング(抗加齢)に対応する食の考え方は当時から出来上がっている。

漢方医学の最古の書「黄帝内経・素問」に黄帝と医師で臣下の岐伯・雷公らの問答形式で、養生法・病理・生理・病因・診断法・治療法等を説いた書物に、昔の人は心身共に健やかで森羅万象を知りつくし百歳を超えても元気な人々が多く、今は五十歳に成るか否かで短命となる人々が多くどのように養生すべきかが問答的やり取りが記されている。

特に「腎気」といって 脳・生殖器・ホルモン系・免疫系など含め、成長・発育・成熟・老化に関係した部分を現わしている。

この腎気がエイジング(加齢)と密接に結びついているとされる。
エイジングの原因は、ホルモンの低下・免疫力の低下・細胞機能低下・遺伝子変化・フリーラジカルによる体内酸化などが上げられる。特にフリーラジカルが原因の中心となっている。

生物は食物を体内でエネルギーに変換する過程で誕生するのが一時脚光を浴びた活性酸素で、これもフリーラジカルの一つである。

フリーラジカルは細胞や遺伝子を酸化させ サビさせる働き(酸化ストレス)がある。

フリーラジカルを生み出す要因は、放射線・紫外線・大気汚染・食品添加物・暴飲暴食・たばこ・酒・ストレス・寝不足・疲労困憊・激しい運動の酸素補給など、生活に密接に関連することすべてに反応してしまう厄介者。

ただ良い面もあり、細菌やガン細胞を殺す役割がある。
フリーラジカルの矛と盾の関係がエイジングを医療の世界で難題にしている。

そんな中でアンチエイジングの救世主が漢方なのである。

病名に拘らず 体から発する症状(例えば、肩こり・腰痛・足の痛み・排尿障害・不眠など)によって判断し、体全体に働きかけ、症状を緩和する。

その患者にとって一番よい状態を維持する事が出来る。
ただし、本人も生活改善をして、暴飲暴食・偏食・睡眠不足・運動不足・疲労やストレス・タバコ・
アルコールを慎む努力も必要となる。

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富貴(フウキ)と雖(イエド)も養(ヨウ)を

 以て身(ミ)を傷(ヤブ)らず   荘子

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自分の命を大切にする者は、たとえ金があって食色など思うままにできても、その身を害する贅沢な馬鹿な行為はしない。の意。

最後に、サミュエルマンは、

「人は年を重ねるから老いるのではない
  理想あるいは夢を失った時点で老いが始まる。」

 

□■□ 老婆心独語 □■□

【 日々是好日(ニチニチコレコウニチ)が養生法なり 】

京都の安泰寺の住職 沢木興道師の後任を受けた 内山興正師曰く、多くのものがみな同じ調子で変化のない状態だからこそ「日々 新たなりの心がけ」が大切である。

慣れることは怖いことで、当然となり更なる欲望へとかき立ててしまう。
不便を解消するのが未来を見つめる先進的科学とすれば、今の便利に慣用過ぎ、更新なる便利を追及して行く。

そこに誤算が生じ大きな犠牲を背負っていることは訊うまでもない。
便利の奥に損得勘定、怠惰(すべきことをしないで、むだに時間を過ごしている様子)な生活等が潜隠(ひそみかくれる)する。

唯そこに存在する自分を知り、見極めることよりも無心に何かに没頭する時、人は他のすべての事柄を忘れさり、空白の中の「唯我独尊」を悟る。

毎日を精一杯生きるとき、自分の命は自分で深めることに気づくのである。

「 朝に希望 昼に努力 夜に感謝
  人生は年齢と共に 自然体で生きるのが素晴らしい 」

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